今年も、 例の季節が 近付いてきた。

この時期になると、 奴等の犯行が 目立つようになる。 奴等は――

通行人を平然と刺し、 最悪の場合は 家屋へ侵入し、 犯行に及ぶ。

身体に長らく 後遺症の伴う傷を、 心には耐えがたい 苦痛をもたらす。

対策は練っている。 だが……。 それを嘲笑うかのように、 奴等はいつも、 警戒網をすり抜ける。

今年もきっと、 数多の人々が、奴等に 狙われてしまうのだろう。 無力な私は、ただ、 憎しみを込めて、 奴等の名を口にする。

「……くそっ、  今年こそは許さん。  『蚊』どもが」